AIは成長要因だが、17%をAIだけの成果とは分解できない
Alphabetの公式決算で確認できるのは「Google Search & Other Ads」が前年同期比17%増えたことです。経営陣はAI OverviewsやAI Modeが検索利用とクエリを増やしたと説明していますが、決算資料はAI機能だけの売上寄与を個別開示していません。
「Google検索が17%増」は概略として使えますが、正確にはSearch & Other Adsカテゴリーです。「AIによって17%増えた」と因果を固定する表現は、公開資料の範囲を超えます。
Alphabetは売上24%増、営業利益30%増
| 指標 | 2026年Q2 | 前年同期比 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| Alphabet売上高 | 1,197.96億ドル | +24% | 全社のGAAP売上高 |
| Search & Other Ads | 632.71億ドル | +17% | 検索だけでなく「Other」を含む広告カテゴリー |
| YouTube Ads | 110.55億ドル | +13% | CEO発言では丸めて13%、実額では約12.9% |
| Google Cloud | 247.68億ドル | +82% | AI基盤・AIソリューション以外も含むCloud全体 |
| 設備投資 | 449.24億ドル | +100% | AI需要を支える投資負担も急増 |
全社売上高は前年同期の964.28億ドルから1,197.96億ドルへ増加しました。営業利益は312.71億ドルから407.70億ドルへ30%増え、営業利益率も32.4%から34.0%へ上昇しています。
AI Modeは月間10億人、検索利用は拡大
Googleによると、AI Modeは世界展開後に月間アクティブユーザー10億人を超えました。AI機能は検索クエリを純増させ、毎週数十億回のクリックをウェブサイトへ送っていると説明しています。2026年FIFAワールドカップ期間中には検索利用が過去最高を記録しました。
ただし、ユーザー数やクエリ増加は売上と同じ指標ではありません。広告単価、広告表示率、商用クエリの構成、地域構成などを経て売上になります。
最大の伸びはGoogle Cloudの82%増
Fortune 100の約90%がGemini Enterpriseを利用し、モデルAPIは1分当たり約220億トークンを処理しています。前四半期の160億超から増えました。ただしCloudの82%増には、AI以外のインフラ、データ、セキュリティ、Workspaceも含まれます。
Gemini 9.5億人、Ask YouTube 1.4億人
| サービス | Googleの発表 | 指標の種類 |
|---|---|---|
| Geminiアプリ | 月間9.5億人、日次利用者は前年比3倍 | 利用者数 |
| AI Mode | 月間10億人超 | 利用者数 |
| Ask YouTube | 2026年6月に1.4億人超 | 視聴ページ上の利用者数 |
| YouTube Ads | 110.55億ドル、13%増 | 広告売上 |
| GoogleモデルAPI | 毎分約220億トークン | 処理量 |
利用者数、処理量、売上は別の指標です。成長の方向は一致していても、人数をそのまま収益化の強さへ置き換えることはできません。
AI成長の裏で設備投資は倍増
設備投資は449.24億ドルと前年同期比100%増えました。四半期の営業キャッシュフロー390.69億ドルを上回り、会社定義のフリーキャッシュフローはマイナス58.55億ドルです。AIサービスの利用拡大と同時に、データセンターや計算資源への先行投資も膨らんでいます。
GoogleはAI Modeの回答コストを提供開始以来の最低水準へ下げたと説明しています。一方、モデル需要は供給制約が続いており、効率改善と設備拡張の両方が必要な局面です。