最初に結論
迷った情報は入力しない、が基本です。便利さよりも、後から困らない情報管理を優先します。
個人情報・機密情報・著作権・誤情報の注意
- 名前、住所、電話番号、顧客情報、会社資料、認証情報は入力しない。
- 文章、画像、引用、要約では著作権や利用条件を確認する。
- AI回答は間違う可能性があるため、重要な内容は一次情報や専門家で確認する。
- 医療、法律、金融、安全に関わる判断をAIだけで行わない。
判断に迷う情報の扱い
明らかに入力してはいけないもの(パスワード、口座情報、他人の個人情報)以外にも、迷う場面があります。次で判断してください。
- 他人が関わるか — 自分だけの情報でなければ、相手の同意が要ります
- 公開されているか — 未公開の情報は入れない
- 外に出た場合に困るか — 困るなら入れない
3番目を基準にすると、多くの場面で判断できます。「たぶん大丈夫」と思った時点で、入れないほうの側です。入れずに相談する方法は、たいていあります。
入れずに相談する書き換え方
実際の情報を渡さなくても、相談は成り立ちます。
| そのまま入れない | 書き換える |
|---|---|
| 取引先とのメール全文 | 会社名と担当者名を伏せた形 |
| 契約書の条文 | 条件の構造だけを説明する |
| 顧客の相談内容 | 固有名詞と特定できる事情を外す |
| 社内資料の画像 | 必要な部分を書き写す |
最後の行に注意してください。画像には、意図していない情報が写り込みます。資料の余白、別のウィンドウ、通知などです。文字として必要な部分だけを書き写すほうが安全で、内容も正確に伝わります。
職場で使う場合の確認先
個人の判断で決められない部分があります。次は組織側で決まっています。
- そもそも業務で使ってよいか
- どの情報まで入力してよいか
- 成果物を業務に使ってよいか — 入力だけでなく出力側の扱い
- 使ったことを記録・申告する必要があるか
3番目を確認していない場合が多くあります。入力の可否だけを見て、出てきた内容の扱いを決めていない組織は珍しくありません。ルールが無いと分かった場合は、それ自体を担当部署に伝えてください。個人で判断し続けるより、決めてもらうほうが安全です。
確認する時は、具体的な場面を添えて聞いてください。「使ってよいか」より「この資料の要約に使ってよいか」のほうが、答えが返ってきます。抽象的に尋ねると、判断を保留されたまま話が進みません。
名前を伏せても特定される組み合わせ
「実名は入れていないから大丈夫」という判断には穴があります。1つ1つは無害な情報でも、組み合わせると個人や会社が特定できることがあるからです。
- 「都内の従業員30名の印刷会社で、先月社長が交代した」——名前が無くても、条件を満たす会社は絞り込めます
- 「小学3年の娘が通う〇〇区のバレエ教室でのトラブル」——地域と属性の組み合わせは、本人の周囲には特定可能です
- 取引先とのメール文面の貼り付け——文面に固有の言い回しや案件名が入り、伏せ字にした社名より雄弁なことがあります
判断の目安は「この文章を相手本人が読んだら、自分のことだと分かるか」です。分かるなら、名前を伏せていても特定情報を入れているのと同じです。相談自体は、条件をもう一段抽象化すれば大抵成立します(「都内の小規模な製造業で」程度まで丸める)。
入れてしまった直後にやること
うっかり入れてしまった時に、事後でできることを順に挙げます。完全に無かったことにはできませんが、やる価値はあります。
- その会話を削除する:履歴に残り続ける状態を止めます。削除の反映には時間がかかる場合があります
- アクティビティ設定を確認する:入力内容がどう保存・利用されるかの設定を見直します。設定の場所と選択肢は変わることがあるため、現行の画面で確認してください
- 他人の情報だった場合は、影響を考える:自分の情報なら自分のリスクで済みますが、顧客や同僚の情報を入れた場合は、社内ルール上の報告が必要なことがあります。「黙っておく」が一番まずい選択です
そして、同じ事故を繰り返さないために、貼り付ける前に1回読むを習慣にしてください。事故のほとんどは、書いた情報ではなく貼り付けた情報で起きます。